先日、友人に「無垢材で家具を作るなんでエコじゃない」と言われた。
木の伐採を増長させるから良くないらしい。
「何を言っているんだ?」
そもそも、無垢材以外の材料、たとえば合板、鉄やプラスチックなどを使えばエコなのか?
そんなことは無いだろうと思う。
たしかに無垢材として使用できない辺材や切りくずなどを使った合板であれば無駄を無くして良いだろうが、ほとんどの合板は海外より輸入したそれ専用に木材を加工してつくっているのが普通だろう。これはエコじゃない。鉄やプラスチックなどの材料は、19世紀にイギリスから始まった産業革命以降の産物だけど、この工業の発展がもとで、環境破壊が進んだのではないかな。
自然と大切にするというと手を付けないことが良いように思われるけど、日本では昔のように木材を使わなくなったがゆえに林業が衰退して山や森の守人がいなくなり、自然が破壊される一因となったのではないかな。 昔、豊臣秀吉は大阪城の築城のために屋久島の杉の巨木を大量に伐採したが、これは環境破壊というのだろうか。
それも違うと思う。つまり、巨木が伐採されることは現在のわれわれが鑑賞するという意味でもったいないように思うが伐採すること自体は環境破壊とは言わない。(そもそも安土桃山時代に環境破壊なんて概念はないし。)林業的には使われるべくして使われたのであれば喜ばしいことじゃないのかな。屋久島の杉がそうであったのかは知らないが、林業に従事している人は木材を使用してくれるのは有り難いことで、それで生計が立てられるのであれば、次の世代のための植林も欠かさず行ってくれることでしょう。
更にいうのであれば、デザインではなく材料費という意味でいうと無垢材の家具はその他の材料と使った家具に比べると高い。工業化される以前の家具は割と高級だった。産業革命以降の工業化が家具を安価なものとして大量に消費させることになった。世界の人口の増加もあるけど、安価なことで捨てやすくなり、大量消費につながっているのではないか。ウィリアム・モリスが提唱した『アーツ・アンド・クラフツ』運動に沿って作成された家具が高級品となり、裕福層にしか提供できなかったことがあるが、これで良いのだと思う。
高い家具を購入して、一生使い続ければエコロジーなのだ。
なんて説明を友人にしたが、この考え方はきっと商売をするのには向いていないのでしょう。
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